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銀はその光沢が美しいばかりでなく、不安定で、化学反応しやすい物質なのです。
すぐに黒ずんでしまうのもこのせいですが、このため、料理や飲物に毒物がふくまれていたとき、瞬時に反応して黒くなるため見やぶれる、といわれました。
これは、物質として安定した、金などにはない性質です。
毒殺がひんぱんに行われた中世の時代、西洋の王侯貴族が銀製の食器を用いたのは、これを利用したものでした。
また銀には、微生物や細菌の繁殖をおさえる、殺菌作用もあるのです。
「銀器を使えば食中毒になりにくい」ということも、むかしの人は、経験から知っていたのです。
銀のこうした特性に気づいていたのは、西洋だけではありません。
東洋でも、中国・韓国などで、むかしから長寿祝いに、純銀の箸を贈る習慣がありました。
これも「毒に反応する・殺菌効果がある」などの理由で王侯貴族が銀の箸を珍重し、
それがしだいに長寿祝いに変っていったものです。
韓国ではいまでも、食堂では日本のようにワリバシを使わず、銀の箸を、洗ってくりかえし使います。
また、銀食器は手入れを怠るとすぐ変色してしまうため、管理が大変なのです。
「手間のかかる銀器を、これほど美しく管理できるすぐれた召使が、当家にはおります」と、客人に自慢するための、いわば王侯貴族のステータス・シンボルでもあったのです。
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