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「純粋無垢・浄化・くもりなき良心」の象徴とされた銀は、いにしえより、ローマ・カトリック教会で、宗教的儀式の祭器などに使われてきました。
小説『レ・ミゼラブル』※の冒頭に、銀器が登場します。
主人公ジャン・バルジャンは、監獄から出たばかりの身で、飢え、こごえてたどりついたとある街の教会で、老いた司教ミリエルに救われます。老司教は、銀食器に山のような食物を盛り、ジャンをもてなしました。
ところが、貧しさのあまり一片のパンを盗んで捕えられ、不当な刑に反抗して脱獄を繰り返したため、20年もの歳月を監獄ですごしたジャンは、すっかり心すさんでおり、その銀器を盗んで逃げます。
身分不相応な持ちものを怪しまれたジャンは、すぐに憲兵に捕えられ、司祭の前に連行されます。
が、司祭は告げます。
「それは、私がこの人にさしあげたものです。あなたの悪い魂を、私がその銀器で購(あがな)いました」
・・これが、のちに工場主となり、市長にまで出世するジャンの、更生するきっかけとなったのでした。
※19世紀フランス、浪漫派の作家・ヴィクトル=ユゴーの代表作。邦題は、『噫〈あゝ〉無情』としても知られる。
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