クロス専門店「くるすや」宝石のトリビア−#6
3月の誕生石 珊瑚(さんご)
コーラル Coral ※日本でのみ、3月の誕生石ブラッドストーンの代用石
和名:珊瑚
宝石のことば:幸福、長寿、知恵
種類:海洋生物・サンゴチュウの死骸が、樹の枝のような形に集まり、石灰質が骨格を作ったものをいう。宝石扱いされるのは「宝石珊瑚」「本珊瑚」と呼ばれるもののみで、紅・赤・桃色・白など。他に、青・黒・金色もある。

身体的には・・赤い石はほとんど「血止め石」といわれますが、珊瑚はとくに、傷あとを残さず、きれいに治すといいます。
また、血行をよくし、心臓を丈夫にするともいわれます。
精神的には・・珊瑚は、現在でも「富・幸運・精神の安定」をもたらす石といわれます。
破壊衝動をしずめ、不安・混乱をはらい、心のバランスを整えてくれます。

珊瑚は、2000年以上前のイタリアの遺跡から発掘されたほど、古い時代から人々に珍重されてきました。
子ども、とくに赤ん坊を悪魔や怨霊からまもってくれ、また、妊娠中の女性をまもってくれるともいいます。
とくに角状の珊瑚をおまもりにすると、「幸運がおとずれる」といわれます。
ほかの赤い石であるブラッドストーン(血玉髄)ルビー(紅玉)と同じように、血の色に近い珊瑚も「血止め石」として、傷を治す力があるといわれました。
日本では、結婚35周年「珊瑚婚式」の記念石でもあります。なぜかというと、「三・五=珊瑚」の語呂合せだとか・・☆
火に弱いので、タバコや台所の火気に注意。また、揮発性薬品(ベンジン・マニキュアの除光液など)にも注意。
また、硫黄分に反応して、ツヤ・光沢をなくしてしまうので、温泉に行くときにはつけていかないほうがよいですよ。

【日本】
日本では正倉院に、聖武天皇が、奈良・東大寺大仏の開眼式に身につけた、珊瑚珠で飾った王冠が残されています。
江戸時代ぐらいまでは、地中海産の紅珊瑚しか入手できず、日本にはいわゆるシルクロードを通って入ってきたため「胡渡(こわた)り珊瑚」と呼ばれ、たいへん珍重されました。
あの桃太郎が、鬼ヶ島から持ち帰った宝は「金・銀・珊瑚・綾にしき」だといわれています。
19世紀に入ると、日本近海に質のよい珊瑚の漁場が開発され、一大産地となりました。かたや地中海の珊瑚は採りつくされてしまったため、いまでは珊瑚は、真珠とならんで、日本を代表する宝石となっています。

【ローマ 古代】
1世紀ローマの博物誌家・プリニウスの『博物誌』による、珊瑚の薬効は、以下のとおり。
焼いて粉末にしたものを服用すると、膀胱炎・結石・腹痛に。ワインか、水(発熱してる時)で飲むと、睡眠導入剤に。
枝を灰にしたものは、吐血止めに。
練り薬にして眼に塗ると、患部を冷やし、腫瘍のくぼみをふさぎ、傷痕をなめらかに治す。
ローマ時代の欧州にいたガリア人は、剣・かぶと・楯などに「血止め石」である珊瑚を飾りました。
また、ケルト人は珊瑚で飾りたてた馬に乗り、戦場におもむいたといわれています。

【欧州】
欧州ではむかしから、珊瑚を身につけると、魔法・狂気・邪視のもたらす災い・悪霊などを防ぐといわれてきました。
イタリアでは、こんな言い伝えがありました。「珊瑚を家の中にぶらさげておくと、家族が仲よくなる/ベッドの柱に下げておくと、悪夢をよせつけない/身につけると、他人からの悪意・意地悪をふせぐ」
マルタ島では、狂犬病よけに、愛犬に珊瑚の首輪をはめる習慣がありました。
また、船のマストにくくりつけると、嵐をさけられるともいわれました。
13世紀ドイツのスコラ神学者で“ドクトル・ウニウェルサリス”(=万有博士)の称号をもつアルベルツス・マグヌスは、著書『植物および宝石のふしぎな効力』で、こう言っています。「嵐をしずめ、大河をわたろうとする者は、珊瑚をとるがよい」
欧州では、とくに珍重され、ありとあらゆる病に打ち勝つ石とされました。どこに効くかというと・・
胃病・下痢・回虫など消化器系をはじめ、血液の病、皮膚病、肝臓、膀胱、子宮、肺、歯、舌、喉、口の中の病。
そのほかには、鼻血、頭痛、失禁、痛風。
そればかりか、黒死病(=ペスト)、ハンセン氏病にまで効くといわれていたのです。

【中国】
中国さいごの王朝・清王朝で、珊瑚は「太陽の祭壇に捧げられる石」でした。
【仏教】
仏教界では、真珠・トルコ石・ラピスラズリなどと同様に、仏舎利(=釈迦の遺骨)がわりに用いられることがありました。
また仏教界では、とくに貴重な7つの宝を「七宝」と呼びますが、『大阿弥陀経』ではこれが「金・銀・瑠璃(るり=ラピスラズリ)・玻璃(はり=水晶)・しゃこ貝・珊瑚・琥珀(こはく)」となっており、珊瑚がふくまれています。
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