クロス専門店「くるすや」十字架のトリビア−#5
円と十字をくみあわせた「ケルト式十字架」は、アイルランド人の魂の故郷。
ケルト式十字架 「ケルト式十字架」は、円と十字をくみあわせた、独特の形です。
(薩摩藩・島津家「○に十字紋」とのちがいは、十字の4つの先が、○の外、上下左右にはみ出る形になる点です)
ケルト独特の、渦巻きや組み紐のような、こまかい模様がきざまれているものが多いようです。
内側にまきこむ渦巻きは、エネルギーを中心にあつめ、凝縮された「生命力」を象徴し、ケルト文化の大きな特徴です。

いまでいうアイルランドに多くすんでいたケルト民族は、もともと「ドルイド教」という、独自の宗教をもっていました。
そこへ、5世紀に聖パトリックという宣教師がおとずれ、キリスト教をひろめます。

キリスト教の宣教師は、ときに熱心さのあまり、よその国の土着の宗教を「邪教」として、全否定してしまうことがあります。
しかし、聖パトリックはドルイド教文化を否定することなく、キリスト教文化と合体させ、ケルトの古い文化を守りました。
かれは、いまもアイルランドの国土をまもる守護聖人として、あがめられています。

その聖パトリックの教えをつぎ、ドルイド僧たちが建てたのが、ケルト系修道院です。
ここには「ハイ・クロス=高十字架」と呼ばれる、人の背丈より高い、巨石シンボルが立てられていました。
これは古くから修道院の東西南北に「魔よけ」として立てられたのがはじまりでしたが、やがて、僧たちが人々を集めて説教をする場所などにも、目印として立てられるようになりました。
いまでいう、ランド・マークというわけですね。

これが、「ケルト式十字架」の起源です。
いわば、いにしえの巨石文化と、ドルイド教(=円)と、キリスト教(=十字)との、複合文化です。
もちろん「十字=魔よけ」の意味をもつのは、いうまでもないでしょう。
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