クロス専門店「くるすや」十字架のトリビア−#4
ナチスの象徴「卍=鉤(かぎ)十字」は、縁起のよい記号だった!
ハーケンクロイツカギ十字は、残念ながら第二次大戦で、ナチスの紋章「ハーケンクロイツ(hakenkreuz)」として使用され、「不吉なもの」というイメージが広まってしまいました。
いまも「卍」マークの入ったポケモン・カードが、米国で販売禁止となる騒動などの、原因になっています。
よく見ると、ナチスのハーケンクロイツって、卍とは左右逆向きなんですけどね・・。

ヒトラーが生まれたのは、ドイツ・オーストリアの国境近くのブラウナウという、古代からのゲルマン民族の聖地でした。
かれは少年時代、ベネディクト派教会の少年合唱団で歌っていました。
修道院長の指には、ハーケンクロイツの紋章を描いた指輪が輝いていました。説教壇、石のアーチ、教会のあちこちに、この紋章は使われていました。ヒトラーがみずからの党にこの紋章を採用したのは、これが元になったといわれます。

カギ十字日本では「卍・まんじ」と呼ばれ、神社仏閣などでみられるこの記号「鉤(カギ)十字」は、外国では「スワスチカ」。これは「うまくいってる」という意味のサンスクリット語(swastica)です。
英語では「仏教十字」とも呼ばれます。
ギリシア文字のガンマ(Γ)を4つ集めたようにも見えるので、「crux gammata」ともいいます。
ほんらいの意味は、東西南北(羅針盤がさす4つの方位)、春夏秋冬(四季)、東風・西風・南風・北風の、4つの風。
「調和・生命・運動・幸福」をあらわす、縁起のよい、幸運のおまもりなのです。

また「卍」は、世界的に「カミナリ・雷神」をあらわす形でもありました。(「×」の形も、もともと同じ意味です)
「カミナリ」という字は、げんざいは「雷」=「雨」の下に「田」と書きますが、「田」の字は正字では「卍」と書きます。本来の漢字は「雨」の下に「卍」を3つ書くのが正しいそうです。

古代日本では、雷神が放つイナヅマは、稲(=田)に実りをあたえると考えられていました。ですから「イナヅマ=稲の夫(つま)」と呼ぶのです。奈良時代には、イナヅマは「稲交(いなつるび)」=ずばり、稲との情交と呼ばれていました。
カミナリは中国でも、天帝と、大地の神との、聖なる結婚と考えられていました。

ちなみに、インドでは、「卍」の向きのものは象の頭をもつ男神ガネーシャを象徴するため「ガネーシャ十字」。
ハーケンクロイツ型のものは戦いの女神カーリーの象徴で「カーリー十字」と呼ばれます。
ハーケンクロイツは、「女性型」のカギ十字だったんですね!?

はるか古代、ヨーロッパは地中海諸国、ローマ帝国以前の英国、北欧など。東洋ではインド、中国、日本、朝鮮など。
南米では、アステカ文明のメキシコ、インカ文明のペルーにまで広まっていたそうです。
とくに北欧では、雷神・トールの聖なる武器「ミョルニルの槌(つち)」を象徴し、太陽の象徴でもありました。
仏教の世界では、「極楽の鍵」をあらわします。
欧州にヘレニズム文化をもたらした、アレキサンダー大王の棺にも、「卍」模様がずらりと描かれているそうです。
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